経営は頑張ることではなくお金を稼ぐこと
2016/01/30
MerKneedes(メルニーデス)です、こんにちは。
昨日の金融政策決定会合で日銀はマイナス金利導入を決定しました。
日銀に当座預金を持つ銀行さんは大変ですね。
各銀行が持つ日銀当座預金は、2008年から一定額以上に0.1%の金利がついています。
この0.1%は年額で2000億円。
今後この当座預金に預ける予定のお金がマイナス金利政策によって市場に流れてくる可能性があります。
黒田総裁の思惑通りに銀行さんは融資に回さないでしょうから、マネー市場(株や為替)の今後の動きが気になりますね。
※ ※ ※
そんな土曜日の午前中、ある社長さんが銀行から融資を断られ、事業売却のご相談をされてきました。
内容を聞くと、利益が出ている事業を売却し、資本回収が焦げ付いている事業の運転資金に当てようとしているのです。
売却しようとしている事業は外注丸投げ事業で、額は少ないですが利率20%で回しているのに!です。
資本を投下しても回収できない事業は何をやっても儲かりません。
毎日毎日その仕事を続ければ続ける程、マイナス金利のごとく借金が増えるからです。
そのような事業モデルに銀行が融資するわけないですよね。
それなら焦げ付いている事業への投資をいち早く止め、年利20%の事業に投資して経営再建をかけたほうがずっと成功が近づくはずです。
年利20%なら融資金利を差し引いても十分利益が残ります。
外注丸投げですから自分が事務をやれば最初は従業員も会社の家賃も要りません。パソコンか携帯があれば十分経営できるはずなのです。
ではなぜその経営者さんは、成功している事業モデルを金額も指定せずに投げ売りしようとしていると思いますか?
実はこれ、株の塩漬けと同じで「いつかは巻き返せる」と思って資金繰りが焦げ付いている事業の損切りができない状態なのです。
何が損切りをさせなくするか。
---それは人間の感情です。先代から続けてきた会社だから、つぶしたくない。
連帯保証人の身内に迷惑をかけたくない。
従業員を解雇したくない。etc.こうした感情が邪魔をしているんですね。
でも、経営者は決定しなければいけません。感情抜きで。
感情人情プライド v.s. 日々積み重なるマイナス金利(負債)
なかなか難しいですが、ここで腹をくくるのも経営者の力量ではないかと感じます。
今回の社長さんの失敗の原因を簡単にリストにしてみました。
経営者のみなさまはぜひ、経営チェックをしてみてくださいね。
みなさまの経営は、投資額に対して何%で回収されていますか?
→今日の社長さんはマイナス金利で回収不能に
→(日銀もびっくり経営!)
バランスシート(貸借対照表)を経営者が把握していますか?
→今日の社長さんは会計士丸投げでお金の流れが全く分からない
→(他にも借り入れがあるけれど、期間・金額・金利すべて把握していませんでした!笑)雇用した人材を育て、活用されていますか?
→今日の社長さんは従業員が出来ない部分は自分が働いている
→(育ててもしょうがない、育たないと、はなから教育する制度が社内にない)今後の目標に対して事業計画はしっかりと組まれ、進捗状況を反省していますか?
→今日の社長さんに目標はなく、今月の仕事を回すのがせいいっぱい
→(3か月後の月の売上の見通しさえたたない完全自転車操業)
頑張っている人は応援したいですが、経営は頑張ることではなくお金を稼ぐことです。勘違いをしていると、今日の社長さんみたいになってしまいます。
努力が報われる熱血昭和時代は28年前に終わりました。
しっかり目標を立てて頭を使って達成しましょう。
「自分が労働する事」から脱却し、「人材は人財、お金を働かせる」経営をしてまいりましょうネ♪